なんとなんと、今年のノーベル物理学賞は日本人の理論物理学者3人が受賞!!
(南部先生はだいぶ前にアメリカに帰化されてるそうですが)

やはり、大学で理論物理を学んだ人間としては、日記に書かずにはいられへんw

おまけに南部先生はうちの大学の名誉教授だっていうんやからテンション上がる(≧∇≦)
理工学部(現理学部および工学部)の創設初期に約7年間勤めておられたそうです。

大学の時、量子力学や素粒子論の授業の中ではよく南部先生の名前が出てきてた。
当然、偉大な研究成果を講義で学ぶことがあるからではあるんやけど、
俺が教わった先生達には南部先生の教え子が少なくなく、
思い出話やいろんなエピソードを交えての話によく発展してたw

うちの大学、おそらくお祭り騒ぎで大忙しやろうね♪
 
 
 
今回の受賞対象になったCP対称性やら自発的破れやらって聞いても
大学の物理学科系統のとこで勉強した人以外は意味分からんでしょ~ね(^ー^;)
(一応、俺は理学部物理学科卒業なので何の話かは多少分かってるつもりw)
 
 
では。
伝わるか分からんけど、一般人に理解できそうな説明をしてみようか( ̄∇ ̄;)
(注:あえて厳密に正しい説明じゃない部分あるんでご了承をw スルー推奨ww)
 
 
 
小林・益川両先生の功績は、
それまで3種類しか知られていなかった「クォーク」という素粒子が仮に6種類あれば、
「CP対称性の自発的破れ」という現象と合わさって、
それまで誰も分からなかった問題が解決できることを発見したってことです。

その問題ってのは「なぜこの宇宙空間に物質があるのか」「なぜ物質に質量があるのか」
これを科学的に説明できるようになったんです!(SFや宗教論ちゃうよw)
 
 
その説明を簡略化するとこんな感じ。

宇宙には、最初、何も物質がなかった。
そこに同じ大きさのプラスとマイナスがポッと出来た。
それがひっついたら、消えてまた何もなくなるはず。

けど、まわりから何もしてへんのに、ひっつくまでに片方の大きさが変わってた。
つまりひっついても少しだけ差が埋まりきらず、残ったんよね。
それが『物質』として今も残ってるんだ!ということが説明出来たんですよ。
(ちなみに残ってない方のことを、物質と反対の性質を持つことから『反物質』と言います)
 
 
イメージとしては、真っ平なアイスクリームの表面をスプーンでえぐると、
スプーン上にのったアイスと同じ大きさの穴ポコが出来る(^-^)

すくった分をキレイに元に戻すと、アイスの表面はまた真っ平に戻るけど、
スプーンの上にアイスを追加してから元に戻すと穴ポコをふさいでもアイスが余るよね。
戻そうとしてもアイスが盛り上がってしまう。

これが、誰も何もしてへんのに勝手に(=自発的に)スプーン上のアイスが増えてたとすると、
キレイに真っ平にするつもりでも、アイスの盛り上がりが残ってしまうよな。
この場合やと、スプーン上のアイスが『物質』で、穴ポコが『反物質』ってことになるね。

これが「対称性の自発的破れ」のイメージ。(いいのか、こんなんで?w)
 
 
その上で、クォークは6種類の中に、別のクォークに変わることが出来るやつがいて、
その途中でエネルギーを失ったりしてバランスを崩すんよね。
そういったことをいろいろ考慮すると、
クォークが6種類だとすれば『物質』がこの世界に残ることを完全に説明出来た!

それがこの小林・益川両先生の研究成果だったわけです。
(少しは伝わったかな?w)
 
 
 
もう一人の、我が師の師である南部先生の功績は、
小林・益川両先生の研究よりもだいぶ前に、対称性の自発的破れを提唱したり、
素粒子の状態を厳密に計算できる量子色力学っていう新しい分野を作り上げたりと
その後の素粒子物理学の研究の基盤を広範囲にわたって作り上げた数多くの研究成果について。
あれもこれもとあまりに偉業が多く、ホントに偉大な物理学者ですね。

そんな人が自分の大学の名誉教授やなんて、もっそい誇りに感じるね(`・ω・´)
 
 
 
(参考)
「CP対称性のCとPについて」
CはCharge(チャージ)のCで「電荷」のこと。プラスマイナスの電気の大きさね。
PはParity(パリティ)のP。パリティってのは簡単に言えば「位置」のこと。

つまり、「CP対称性」とは、
真空から同時に生まれた、対を成す粒同士(物質と反物質)の、
・電気量の大きさが同じでプラスマイナスが逆
   &
・発生点からの位置(=距離)が同じ大きさで方向が逆
っていう対称性があるよっていう自然の法則のこと。

これが「破れ」てるっていうのは、
物質と反物質で完全にCとPが対称じゃなくなってるよってこと。
つまりひっついて消えようとしてもちょっと残るものがあるんよね。
 
 
 
「素粒子(そりゅうし)について」
素粒子っていうのは、物質を作る一番小さい粒のこと。
『一番小さい粒』っていうと普通は「分子」や「原子」を、
人によっては「陽子」「中性子」なんかを思い浮かべると思うんよね。
それは間違いちゃうねん。
実際、中学や高校の理科ではそう習うんやから。

ただ、もっと専門的な段階では陽子や中性子がさらに小さい粒「クォーク」から出来てることを習う。
(陽子も中性子も共通の2種類のクォークが3つ集まって出来てる。数の配分は逆やけど)

今はクォークは6種類あることが知られていて、
それに「電子」や6年前の日本人ノーベル物理学賞受賞で話題になった「ニュートリノ」とかを加えて
『素粒子』って呼んでるんですね~。
 
 
あまりに小さいために、素粒子は顕微鏡とかでは見ることが出来ひんねん。
特殊な実験器具の中で素粒子のエネルギーを元に光や電流を発生させて初めて、存在や種類を確認できる。
素粒子は単独で自然界に存在しないものがほとんどで、
人間が観察するときには素粒子で出来た粒同士を大きなエネルギーでぶつけて破壊して、
その拍子に破片として飛び出るのを待つんです。

今回の受賞者である小林先生・益川先生が論文を出される以前、クォークはこの世に3種類。
当時はそれで全部だった。
後々考えれば、当時の実験施設ではそれ以外のクォークを飛び出させるには力不足やったんよね。
 
 
 
てな感じで、自分としてはわりと噛み砕いて書いてみたつもりww

噛み砕きすぎてウソにならんように気はつけたつもりやけど、
厳密に正しい表現をしようとすると難しくなりすぎるから、
仕方なく完全に正しく表現してへんとこあるけどお許しを。

あ~、けっこう時間かかったけど、書いてスッキリしたw
変に刺激受けてもうてたからね( ̄∇ ̄)
久々にまともな物理のことを考えて楽しかったし♪ 自己満足完結☆

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